「ねぇ、君。」
「は、はい?!」
「スカート短いよ。この前も言わなかった?」
「この前よりは長くしてますが・・・」
「じゃ、もうちょっと長くしなよ。」
こんなこと日常茶飯事です。私、貴方に何かしましたか?風紀委員長、雲雀恭弥さん。周りの女の子は膝上10センチは当たり前なのに、私のスカートは膝ぐらいまであります。
−abuse of one's authority−
「災難だわねー、。」
親友が面白そうにニヤニヤとしている。今日も今日とて、風紀委員の雲雀には捕まっていたのだ。
「スカート短い」(膝上2センチですよ?!)
「髪の色、茶色すぎるんじゃないの?」(ちょ、笹川良平なんて銀髪でしょ?!)
「・・・もしかして化粧してる?」(眉毛整えて眉毛描いてるだけですって!!)
いちいち難癖をつける雲雀に、少々苛々しているだった。
周りには金髪に近い髪の色に染めている人も居るし、下着が見えそうなほどスカートが短い子も居る。あんた本当に中学生?!と言いたくなるほどお化粧をばっちり施している女の子だって居るのに。何で私だけなの。
見た目、まるで数年前の中学生。ルーズソックスも許されず、唯一許されているのは紺のハイソックス。なのにスカートが長いのではっきり行って見た目的には微妙な感じ。
「・・・雲雀さんに直談判してくる!」
痺れを切らしたがガタンと教室の席を立った。
「え、ちょっと、止めた方が・・・」
親友は止めようとしてくれたけれど、これ以上我慢できない、とは思った。
何で彼氏でもない人の言うことを聞かなければならないの!!
私に注意する前に他の人に注意しなさいよ!
私よりすごい人いっぱい居るでしょう?
言いたい事は頭の中を閉めてしまっているのに、いざ応接室の前に立つと、その扉を開けられない。
応接室の前でどうしようかともじもじしていると、
「風紀委員に何か用なの?」
後ろから声をかけられた。飛び上がるほど驚いてその方向を見ると、案の定、雲雀の姿が。
「ひ、雲雀さん・・・」
やばい、顔が引き攣ってる。
「用なの?用が無いなら帰ってくれる?」
「よ、用ならあります!」
「そう、なら中に入りなよ、さん」
あれ・・・?
少しだけは違和感を覚えた。その違和感はすぐに気がつくところとなる。雲雀が自分の名前を呼んだ。目立つ生徒の名前は記憶しているんだろうか・・・。1年の沢田くんなんて草食動物とか呼ばれてるのに。
「で?用って何?」
ソファに座り、足を大きく投げ出した雲雀が下から見上げる。
「な、何で私だけに厳しくするんですか。『スカートが短い』とか『髪が茶色すぎる』とか『化粧してるの?』とか・・・私よりももっとすごい人いっぱい居るじゃないですか。そっちに注意すべきなんじゃないんですか?」
理不尽の塊に正論で抵抗できるなんては思っていないが、それでも言わないと気がすまなかった。
気まずい沈黙が流れる。一分刻みの学校の時計が2回動いた頃、口を開いたのは雲雀だった。
「・・・綺麗な足を晒すな。ルーズソックスは好みじゃない。黒髪の方が好みだし、化粧なんてしなくても十分だと思う。これで満足かい?」
「・・・へ?」
あまりに突拍子も無い返答に、間の抜けた返事を返す。
「あ、あの、すいません、話が見えないんですが・・・」
思わず聞き返す。
「さん・・・君だけに厳しくする理由を聞きにきたんだろう?今のが答えだよ。他の女なんてどうでもいいんだ。でも君はダメだよ、、さん。僕以外の人に足を晒すのも許さない。ルーズソックスより紺のハイソックスのほうが清潔感があっていいし。何なら黒いストッキングでもいいけど。せっかく日本美人なんだから髪は黒いほうがいい。整った顔をしているのにわざわざ化粧をして隠す必要も無いだろう?僕は独占欲が強いんだ。」
気だるそうな視線がのことを捕らえて離さない。その整った顔立ちに見つめられ、の心臓は跳ね上がる。
今までこんな心臓の動きは雲雀に対して感じたことなんて無かったのに・・・。
「あ、あの、それって・・・」
「言っただろう?独占欲が強いって。」
「ちゃんと言ってくださいよー。」
「あまりしつこいとこの場で犯すよ?」
「ひっ!!!」
・・・雲雀が自分の気持ちを言葉で表現するのはまだまだ先になりそうだ・・・。
それでも、はこの理不尽な風紀委員の言うことを聞いてあげようと思うのだった。
独占欲丸出しの彼が妙に可愛く思えたから。
雲雀夢です。
雲雀は、清潔感が在るお嬢様っぽい感じの見た目の
女の子が好きだと思います。
多分、ギャルっぽい女の子は眼中に無いんじゃないかな・・・。
でもあれですよね、「綺麗な足を晒すな」って
お前そんなところ見てたのか!!って感じだよね(笑)。
でも、ほら、雲雀さんも男の子だから☆(おい)