「おはよう・・・」

「おはよう、。」

「おっはよー!朝から可愛いなぁ♪」

「てめぇ、ロッド!ドサクサにまぎれて何言ってやがる!」


−親馬鹿−
第1章



それぞれ思い思いの挨拶をに投げかけてくる特戦部隊の面々。
・・・まぁ、約一名挨拶じゃないのが混じっているような気がするが・・・。

「おはよう、皆。」

にっこりと笑って席に着く。朝食の始まり始まり。
毎朝のようにガツガツと食事に励むハーレムとロッドを唖然と見つめる
朝から、一体どうしてそんなに食事が入るのか、不思議で仕方がない。
の朝食は、マーカーと同じく、彼に進められてはじめた中華粥。
たかがお粥、されどお粥。意外と奥が深いもの。すっかりはまってしまっている。

「はぁ・・・」

小さな溜息をついたの態度にいち早く気がついたのは、
親馬鹿なハーレムでもなければ、女好きのロッドでもない。(ちなみに二人は食事に夢中)
のよき理解者、隣に座っているマーカーだった。

「どうかしたか?お前らしくないな・・・」

「・・・うーん、最近、肩凝っちゃって・・・」

「そうか・・・あとで、俺の部屋に来い。肩くらい揉んでやる。」

「本当に?!ありがとう、マーカー!」

いくら食事中でも、この発言に気付かないほどハーレムだって堕ちちゃいない。

(マーカーの野郎・・・に手ぇ出しやがったら、ガンマ砲で宇宙の果てまで飛ばしてやる・・・)

と密かな闘志を燃やしているハーレムに、マーカーとは気付いていなかった。
ちなみに、マーカーにはまったく「下心」というものはない。
国にと同い年の妹がいるため、妹のように可愛がっている、ただそれだけのこと。
可愛がってくれるからも兄のように慕っているまでの話ではあるが、
ハーレムにとっては、に手を出す男は全て「害虫」である。
もちろん害虫駆除はハーレムの仕事。

食事も終わり、今日は特に任務もないため、皆思い思いに過ごしている。
ロッドは、街に女の子をナンパに出掛けたし、
Gは自室で最近買ってきたくまの○ーさんのぬいぐるみに着せようと、服を縫っている。

マーカーが自室に戻るのに、もちゃっかりついていき、
マッサージをねだっていた。

そんなマーカーの自室の前に、寄りかかって聞き耳を立てている人物が一人。
いわずとも知れた、親馬鹿ハーレム、その人である。

「肩でいいんだな?」

「うん!」

「ほら、座れ。」

「はーい。」

「・・・凝ってるな」

「でしょう?も、辛くって」

「まだ若いのにな」

「しかたないじゃん!」

「ここか?」

「ん・・・気持ちいい・・・」

「こんなところまで凝ってるな・・・」

「ふわぁ!もー、マーカーの意地悪!」

「ふん・・・」

「ん・・・ぁ、や・・・痛い・・・んぁ・・・」

「・・・やめるか?」

「いやぁ!もっと・・・ん・・・あ、あぅ・・・」

・・・まぁ、こんな会話がマーカーの自室の中から聞こえてくるわけで・・・
「自称父親」なハーレムが我慢できるわけははっきり言って、ない。

「おらぁ!このチャイニーズ!何やってやがる!!」

・・・ハーレムの頭の中ではモザイク処理ぎりぎりの行為が行われていた・・・
実際そんなことはないんですが。
ただ、マーカーがベッドに腰掛け、その前の丸椅子にが座り、
本当にただ、肩揉みをしていたのですがね・・・

「た、隊長?!」

「ど、どうしたの・・・?」

きょとーんとした顔でハーレムを見つめる二人。
そりゃぁね、二人とも何も悪いことしてないですもんね。
とうのハーレムは、がヤられてなかったことを安心すると共に、
そんな中に飛び込んできた自分が妙に恥ずかしくなってきて・・・

「か、にいかがわしい声を出させてんじゃねぇ!!」

と叫んだ。

「はぁ?それって、どういう意味?!」

訝しげな顔で見上げてくる
10歳の頃に拾ってから5年。ハーレムが蝶よ花よと育ててきた(笑)に、
そんな知識があるわけない。もちろんハーレムがそういう話題を遠ざけていたから。
それを知っているマーカーは、いつもは崩さない顔を歪ませて、笑いを堪えている。

「と、とにかく!!もうマーカーの部屋にくるんじゃねぇ!」

「えぇ?!何で?!!」

「何でもだ!」

「そんなわけわかんない理由で言われたくない!
ハーレム隊長なんて大っ嫌いなんだから!!」

涙ぐみながら、は大きな声で叫んだ。
ハーレムはというと、その言葉でまるで奈落のそこに突き落とされたように凹みながら、
マーカーの部屋を無言で出て行った。まるで、何かの抜け殻。
その様子を見ていたマーカーは、肩揉みを再開しながらに背後から声をかけた。

・・・あんなこと、言っちゃダメだろう・・・。
お前、隊長のこと好きなんだろ?」

「好きだよ・・・命を助けてくれた。本当のお父さんみたいに思ってる。」

「だったら、ちゃんと謝るんだ。いいな?」

「・・・はい。」

「よし、ちゃんと謝ったらまた肩でも何でも揉んでやるから。」

「うん・・・ありがとう」

肩揉みを終えたは、恥ずかしそうな笑顔を浮かべながら、
ハーレムに謝罪するためにマーカーの部屋を後にした。
その様子を微笑みながら見送ったマーカーがそのあとに呟いた言葉・・・

「あの時隊長が乱入してこなかったら・・・やばかったかもな。」

と、自嘲的な笑みを浮かべて自室へと戻っていった・・・。

ハーレム様親馬鹿小説第1弾!
何気にマーカーが優しいです。こんなキャラじゃないだろう・・・
ハーレム様のありえない小説を書きたくて考えたネタ。
まだまだいっぱいあります。成長していくごとに、相手が増えていきます。
最後は結局嫁入りしてしまいます(お約束)。
さて、最後のお相手は誰でしょうな(笑)。