※この作品のヒロインは、とんでもない東北訛りです。
セリフの下に、標準語訳をつけてあります。
多分、東北の人でもわからないかもしれないくらいの訛りなので・・・(爆)。
拝啓 母ちゃん。
オラはガンマ団で頑張ってるべ。
未だに「オメ、あかぬけねぇな」って言われるけど、
・・・アイツに比べれば、オラの方が大分あかぬけてると思うべ・・・
−あかぬける−
とある昼下がり。ガンマ団内の長い廊下を親友のトットリと一緒に歩いていたミヤギ。目の前から、二人組みが歩いてきた。見ると、男と女の二人組み。男は・・・確か、事務長。その後ろの女は・・・どうやら新人らしく、辺りをきょろきょろ見回しながら歩いていた。新人なのに。ミヤギにはその女に見覚えがあった。長い黒い髪を高い位置で結わえたその女の名前は、。ミヤギの実家の斜め向の家の娘だった。ミヤギよりも5歳は若いはず。
「?!オメ、なんでこんなところさいるんだ?!」
「あや、ミヤギちゃんでねぇか!ガンマ団さいるって、ホントだったんだな。」
(あら、ミヤギちゃんじゃない。ガンマ団にいるって、本当だったのね。)
その二人の会話にびっくりしたのは、お互いの連れ。事務長はどうやらミヤギとが顔見知りであるのに気付いたらしく、
「ミヤギさんと少し話してきたらどうですか。」
と気を使ってくれた。トットリも、
「そげだ。折角だから、話してくるといいっちゃよ。」
といった。は二人に向いて、
「どうも、もさげねっす。」
(どうも、申し訳ありません)
と、にっこり笑った。そのまま、事務長とトットリは二人連れ立ってその場を立ち去ってしまった。あとに残されたのは、ミヤギとだけ。
「・・・ここで話しててもしかたないべ。喫茶店にでも行くか?」
「あや、オラ、そったな洒落だどごさ行ったごどねぇもの。なにがしょすごどするがもしれねぇじゃ?」
(え、私、そんな洒落たところにいったことないよ。何か恥ずかしいことしちゃうかもしれないよ?)
「構わねって。ほら、いぐべ。」
「んだな。」
(そうね。)
ミヤギの後を、しおらしくついて歩く。傍目から見ればかなりの美女である。しかし、それは口を開かなければの話。一度口を開くと、東北弁丸出しのお上りさんである。
ガンマ団内にある、小さな喫茶店に二人ではいると、ミヤギはコーヒー、は紅茶を頼んだ。本当に喫茶店なんて初めてなのだろう。おどおどして、周りを見渡している。
「それにしても、びっくりしたべ。なんで、オメはガンマ団に入ったんだ?事務員だべ?」
「んだ。えっと・・・ミヤギちゃん、ガンマ団で稼いでるって、オラも聞いてらったもの。んでな、求人広告見てたら、たまたまガンマ団で事務員募集してたんだ。んだがらよ、その・・・ミヤギちゃんさ会えるべか・・・と思って、応募したら、受かってしまって・・・」
(そうよ。えっと・・・ミヤギちゃんがガンマ団で働いてるって、私も聞いてたの。それで、求人広告見てたら、たまたまガンマ団で事務員募集してて。だからね、その・・・ミヤギちゃんに会えるかな・・・って思って、応募したら、受かっちゃって・・・)
真っ赤に頬を染めながら、紅茶を啜る。
「・・・オメ、オラさ会いたくってわざわざガンマ団さ入ったのか?」
ますます顔を赤らめながら、恥ずかしそうに頷くを見て、ミヤギまで照れて赤くなってしまう。
「・・・オラよ、ずっとミヤギちゃんのごど、好きだったおんや。だどもよ、ガンマ団に入ってから、いっこ戻ってこねぇしよ、んだども会いてえし・・・なんじゅするごども出来ねがった。オラにとって、あの求人広告は最後の手段だったんだ・・・」
(・・・私、ずっとミヤギちゃんのこと好きだったの。でもね、ガンマ団に入ってから、全然戻ってこないし、でも、会いたいし・・・どうすることも出来なかったの。私にとって、あの求人広告は最後の手段だった・・・。)
真っ赤になって、俯きながらスカートを握りしめているが、とても可愛くて。ミヤギは、クスッと笑った。
「わざわざ、オラのこと追ってきてくれて、嬉しいべ。これから仲良くやるべ。な?。」
柔らかい髪を撫でてやると、これ以上無理というほどに縮こまったが、小さく頷いた。
「・・・早ぐあかぬけねば、他の人に笑われるなや。頑張ってあかぬけるようにするじゃ。」
(早くあかぬけないと、他の人に笑われるね。頑張ってあかぬけるようにするよ。)
「んなことしねくていい。オメ、これ以上あかぬけたら、他の男に持っていかれっちまうべ。」
ニッと笑って、頭をぐしゃぐしゃになるほどに撫で回すミヤギ。まるで、かつて田舎で戯れて遊んでいた頃のような二人。そんな光景を、この日以降、ガンマ団のいたるところで見かけるようになったという・・・。
どうしましょう、やっちゃいましたよ。
ミヤギと田舎者ヒロイン。
仕事中に思いつき、一人で萌えてた話です(笑)。
ていうか、このヒロインのセリフを、訳を見ないで
何人の人がわかってくれるのか。
ちなみに、これぐらいの訛りで管理人は
常に話してます(爆)。
もっと訛りはひどいかも・・・(爆笑)。
あ、でも、一応東北訛りのつもりで書いてますが、
多分、宮城訛りよりは岩手訛りだと思います。