「あの二人・・・結局来ませんでしたね。」
「ふん・・・全く、破天荒なシンタローの性格にはついていけない時があるな。」
−君と揺れていたい−
時刻は22:30。マジック主催のシンタローの誕生会に呼ばれていた二人。キンタローと、その恋人、。主役であるはずのシンタローとその恋人は、パーティーに顔を出さなかった。さすがのマジックもひどく落ち込んでいた。その姿があまりに痛々しくて・・・21:00にはパーティーも終わっていたが、マジックを慰めるためにキンタロー、グンマ、そしてが残っていたのだ。マジックが何とか落ち着きを取り戻したので、帰路に付いた二人。
空は満天の星。静かに響く川のせせらぎ。
キンタローはガンマ団の中の寮に住んでいるが、が外に住んでいるためを送るためにの家へと向かう道を二人で歩く。
その手は、しっかりと握られていた。二人を繋ぐ、お互いの暖かさ。
「そうだ・・・キンタロー様。」
「何だ?」
「何か欲しいプレゼント、ありますか?今日の準備でマジック様にこき使われてて、プレゼント用意できなかったんです・・・。もしも欲しいものがあったら、キンタロー様のお好きなものを差し上げたいと思って。」
少し困ったような顔で微笑みかける。その後キンタローは少しの間押し黙った。二人は、の家へと向かう橋の上に差し掛かる。丁度橋の真ん中辺りに来たとき、キンタローは握っていた手を強く引いて、を抱きしめた。
「き、キンタロー様?!」
「俺は・・・お前の『魂』が欲しい。」
「た、『魂』・・・ですか?まさか殺すとか言わないですよね?」
キンタローの婉曲した物言いに、彼が何を言いたいのかいまいち良く分かっていないが聞き返す。誰だって「魂が欲しい」なんていわれれば、何を意図しているかなんて想像もつきはしないだろう。
「・・・俺から離れるな。お前無しでは・・・きっと俺は生きていけない。」
「キンタロー様・・・」
「俺の生い立ちを知ってなお、お前は俺のことを愛してくれた。いいことも悪いことも教えてくれる。人間は一人では生きれないことも・・・お前が教えてくれた。俺にはお前無しの人生など考えられない・・・」
川風が二人を通り過ぎていく。人通りのない、静かな道。二人の会話を聞いているのは、きっと川岸にそびえる柳の木くらいだろう。
「魂は輪廻転生を繰り返すと聞く。肉体が死んで風化しても・・・魂はまた生まれ変わるのだろう?もし生まれ変わっても・・・お前を探しに行く。いいか、もう一度言うぞ。生まれ変わっても、お前の事を探しにいく。何度でも、何度生まれ変わっても・・・お前と幸せになりたい。」
「キンタロー様・・・」
の瞳からは涙が零れ、キンタローの一張羅のスーツにしみを作った。嬉しくて・・・ただ嬉しくて。そよぐ風は、二人を優しく包む。
「貴方が喜んでくださるなら・・・私の身も心も・・・魂も差し上げます。」
はキンタローにきつく抱きついた。その力につられるかのごとく、キンタローがを抱きしめる腕にも力が篭る。
「愛してる・・・ずっと永遠に・・・死んで生まれ変わっても、ずっと・・・俺の魂は、お前のことを求め続けるだろう・・・」
「探しに来てくださいね・・・必ず。」
「ああ・・・」
二人はそれ以上言葉を交わさず、代わりにキスを交わした。永遠に続くかのような、長い長いキス・・・。二人の魂は互いに求め合い揺れながら・・・重なり合った時間を過ごしていく・・・。
二人・・・運命という風の中で揺れながら・・・。
キンちゃんハッピーバースデー!!
何気にシンちゃん夢とリンクしてたりします。
はぁ・・・キンちゃん大好きなので、もっと時間のあるときに
もっとまともなものを書ければ良かったんですが・・・
なんなんですか、この駄文。
ちなみに、題名は、SOPHIAの「君と揺れていたい」という曲から
いただきました。とってもいい曲ですので、聴いてみてください♪
・・・でも、曲ドリではありません。