隣で微かな寝息を立てる金髪の青年。
その幼い寝顔を見ながら、は考えていた。
何か・・・何か忘れている気がする・・・
デジタルの時計に目をやると、5月12日 AM5:34・・・
5月・・・12日・・・12日・・・
「・・・!!!」
−PARTY−
(やばい!!今日、グンマ様の誕生日だ!!)
焦っているを尻目に、「う〜ん・・・」と言いながら寝返りを打つグンマ。
(やばいよ、何も準備してないよ!!どうしよう・・・)
頭を抱えながらベッドの上で考え込む。
「・・・よし。」
グンマが目を覚ますと、一緒に寝ていたはずのの姿がない。
不思議に思ってキッチンに歩いていっても、求めるものの姿はない。
「・・・」
シュン・・・と落ち込んだグンマの目に、テーブルの上に置かれた置手紙が映った。
「急ぎの仕事があるので、先に行きます。
冷蔵庫の中にサラダとサンドウィッチが入っています。
食べてください。今日もお仕事、頑張ってくださいね。」
その手紙を読んでも、グンマの気分は晴れない。
そのころのはというと・・・
「ドクター!!」
「朝っぱらから煩いですよ、貴方は。
グンマ様の恋人になったからって、最近少々図に乗ってませんか?」
愛しのグンマを奪われた高松は、あからさまにに嫌味をぶつける。
そりゃぁ、出勤したばかりで人に呼び止められれば、誰でも嫌な顔をするだろうが、
高松の「嫌な顔」は、明らかに違う意味での「嫌な顔」ある。
「そのグンマ様のために、ドクターにも一肌脱いでいただきたいんです!」
「グンマ様のために?」
その場を去ろうとしていた高松の耳がダ○ボの耳(笑)の如く
大きくなる。
「話を聞きましょう。」
「・・・つまり、今日グンマ様の自宅で、誕生日パーティーを開きたいと。
準備が出来るまで、グンマ様を引き止めて欲しいと、そういうことですか。」
「はい、お願いできますか?」
「いいでしょう。」
「お願いします!よかったぁ♪」
安心してにっこり笑ったの笑顔に、思わず胸キュンしてしまう高松(笑)。
グンマが好きなった理由が、なんとなくわかった気がした。
「それともう一つお願いが・・・」
「まだなんかあるんですか?!」
「えぇ、あの・・・」
「・・・わかりました。」
「お願いします!!」
満面の笑みでお辞儀をすると、自分の職場に戻っていった。
その後姿を見て、高松は少し安心感を覚えた。
「グンマ様は・・・愛されているんですね・・・」
自分の顔がほころんでいることなど、自分では気付かなかった。
時間は流れ、昼の休憩時間。
グンマは、と一緒に昼食を食べようと、事務室に迎えに来た。
しかし・・・そこにはの姿はない。
同僚の職員に聞くと、12時きっかりに嵐の如く事務室から出て行ったとか。
「もう・・・どこいったんだよ!!」
朝も姿を見ていない、昼にも会えない・・・
恋人同士になって、初めてこれだけ長い時間離れて過ごした。
寂しくて・・・顔が見たくて・・・声が聞きたくて・・・抱きしめたくて。
「の馬鹿・・・」
グンマは涙ぐみながら、購買でパンを買って、研究室でもそもそとかじるのだった。
そのころの。
「シンタロー様、キンタロー様!」
「おお、じゃん。どうした?」
「慌てて・・・グンマに何かあったのか?」
「いえ、実は・・・」
今夜パーティーを開くこと、出席して欲しいことを二人に告げる。
「あ〜、わかった。7時な?」
「はい!!ありがとうございます!」
「一人で全部準備するのか?」
「頑張ります!!」
「大変だろう・・・俺たちも何か手伝おう。」
「いいんですか?!」
「あぁ。お前、午後仕事休んでいいから。」
「えぇぇぇ?!」
この発言には、さすがにもキンタローも驚いた。
「でも・・・」
「・・・他のやつに声をかけるのは俺が引き受ける。」
キンタローの発言。
「んじゃ、料理でも手伝ってやっか。4時ころになったら行ってやる。」
シンタローの発言。
は嬉しくて、涙ぐみながら何度も礼を言った。
総帥じきじきに午後は休め、と言ってくれたので、その通り休んでパーティーの準備を始める。
買出しをして、部屋を飾り付けて・・・確かに仕事が終わってから7時までの2時間じゃ
準備などほとんど出来なかっただろう。ただただシンタローに感謝するばかり。
そのころグンマは。
事務室に用事があって、事務室に出向いていた。
しかし、そこにはいない。
「は?」
「早退しましたよ?」
その言葉にびっくりしたグンマは、シンタローの元へ向かった。
「シンちゃん!!僕、早退していい??」
「な、なんだ、急に。」
「が早退したんでしょ?どこか悪いのかもしれない!だから・・・」
「落ち着け、心配要らない。俺がじきじきに別の仕事を頼んだだけだ。」
「そうなの?」
「あぁ。だから持ち場に戻れ。」
「でも・・・」
「戻れ!!」
強く言われて、さすがに何も言い返せないグンマ。
時間はさらに流れて終業時間。
とにかくに会いたくて、急いで帰り支度をするグンマ。
すると・・・
「グンマ様、申し訳ありません。」
「え?高・・・ま・・・つ・・・」
首筋に痛みを感じたかと思うと、眠ってしまったグンマ。
高松は、グンマに軽い睡眠薬を注射した。
「この様子じゃ、引き止めるのは無理そうですからね・・・申し訳ありません。」
その無邪気な寝顔に、あーんなことやこーんなことをしたい衝動に駆られる高松だが、
グンマの嫌がる顔を見たくないので何とか自分自身を抑える。
グンマ宅・・・
「こんなもんか?」
「そうですね。本当にありがとうございます!助かりました。」
綺麗に飾り付けされた部屋、テーブルに並んだたくさんの料理。
パーティーの準備はすっかり整っていた。
クラッカーなどの小物を買いに出ていたキンタローが戻ってきた。
時刻はPM6:35。ちらほらと客たちも集まってきた。
高松に、7時にグンマを連れて来てくれる様に電話をすると、
集まった客たちと共に、グンマの帰りを今か今かと待ちわびていた。
「もう、高松、急に何すんのさ!!」
「申し訳ありません・・・」
必死で謝りながらグンマを部屋に送る高松。
腕時計を見ると時間はすでにPM7:03。
「何でついてくるのさ!!」
「お部屋に着けばわかりますよ。」
目を覚ましてからの姿を一度も見ていないため、グンマはかなりいらだっている。
「まったく、意味わかんないよ。」
グンマが自室の扉に手をかけ、その扉を開けると・・・
「「「グンマ様、誕生日おめでとうございます!!!」」」
大きなクラッカーの音、大勢の人の声、そして・・・の笑顔。
「皆・・・・・・」
「おめでとうございます!!」
にっこり笑ってグンマを迎える。
その笑顔が嬉しくて・・・グンマはを抱きしめた。
その後ろで高松が額に青筋を作っていたのを知らぬ者は、当のグンマだけである。
「準備・・・してくれてたんだ。」
「はい。貴方に喜んでいただきたくて。」
「ありがとう・・・。大好きだよ。」
頬に軽くキスをして、部屋の中へ入ってパーティーを始める。
たくさん用意していた料理もあっという間になくなり、
酒の入っていたであろうビンも何本も転がっていた。
パーティーに参加した面々は、グンマに思い思いのプレゼントを渡し、帰っていった。
あとに残されたのは、洗い物と、空き瓶とたくさんのプレゼント。
が洗い物をしている所に、グンマがやってきて、水に浸かっている皿に手をかける。
「手伝うよ。」
「いいですよ!!休んでてください。」
「手伝わせて。」
ほっぺに軽くキスをして、皿を濯ぐ。
「、ありがとう。すごく楽しかったよ。」
「こんなことしか準備できなくて・・・ごめんなさい。」
「うぅん、すごく嬉しかった。でもね、・・・」
濡れた手をの顔にかけ自分のほうを向かせ、今度は唇にキスをした。
「毎朝、おはようって言って欲しい。今日、会えなくてすごく寂しかった・・・。」
「ごめんなさい・・・グンマ様。」
今日も同じベッドに入って寄り添って眠る二人。
明日の・・・明後日の朝も・・・これから先ずっと・・・
「おはよう」という一日の始まりの挨拶を二人で交わすことを誓って・・・
グンマのBD夢です!!な、長いよぉ!!
長いのはいいけど、ろくに中身も詰まってません;
会話が多いので、すごく長い話になってしまいました。
この話のなかの高松は何気に変態ですね・・・;
何はともあれ。グンちゃん誕生日おめでとう!!
そろそろ・・・シンちゃんも誕生日だわ。準備しなくちゃ。