「ねぇ、ここに入ってたプリン知らない?」
「あ?食ったぜ?」
「・・・!!最低・・・火生なんて大嫌い!!」
−プリン−
天馬の小学校での八雲との戦いが一段落した後、
天馬の家に転がり込んできた少女、。
祖父であったぬらりひょんがやられてしまったため、
行き場もなくこの家に身を寄せた。
八雲を倒しに出発する前日の夜・・・。
「ちょっとぉ・・・どうしちゃったの?さっきからあんたたち、
一言も話してないじゃない・・・いっつもなら煩いくらい話してるのに・・・」
静流が眉間に皺を寄せて、火生とを見ている。
よく天馬の野球の監督(ぬらりひょん)の近くにいるに火生は心を寄せていて、
もまたよく試合を見に来ている火生に心を寄せていた。
2人が同じ屋根の下に暮らすことになって、必然的に恋人同士となったわけで・・・
いつもならいちゃいちゃと見てて暑苦しいほどなのに、
今日に限って一言も口をきかない。特に。
火生が話しかけても完璧無視である。
「なぁ・・・?」
「・・・」
「許してくれって・・・な、謝るからさぁ・・・」
「・・・」
こんな感じでまったく会話が進まない。
溜息をついて、火生はその場を後にした。
玄関から外に出て行く音がする。どこかに出掛けたらしい。
「何があったのよ?」
「火生が私のプリン食べた・・・」
「はぁ?!たったそれだけで怒ってんの?」
「だって、楽しみにしてたのに!!」
静流は呆れてものも言えない。
「勝手にしなさい・・・」
静流もリビングを出て、部屋へと戻っていった。
リビングにはだけが残されて・・・静かになったリビングで、
静かに目を閉じると、は眠りの中へと落ちていった・・・。
「・・・おい、おい、?起きろって。」
「んぅ・・・」
目の前には火生の顔。いつもの癖で抱きつこうとするが、
喧嘩をしていたことを思い出して、寸前で思いとどまった。
「はぁ・・・まだ怒ってんの?」
「・・・」
「ほら・・・」
の目の前に、コンビニのビニール袋が置かれた。
この辺にはない、ちょっと離れた場所にある店のもの・・・
「買ってきた。これで機嫌直してくんない?、これ好きだったろ?」
ビニール袋を覗くと、プリンが二つ入っていた。
その店で売られている、がお気に入りのプリン。
プリンのうえに生クリームの乗ったそれを見て、
は自分の好みをしっかり分かっていてくれた火生を愛しく思う。
「ありがとう・・・」
そう言って、ビニール袋を握り締めた。
「ちょ・・・1個は俺のだぜ?」
「ダメー。私の物は私の物。火生の物も私の物!」
「なんだよそりゃ・・・ま、のプリン食ったの俺だしな。仕方ないからやるよ。
俺は、プリン味のキスで我慢してやる♪」
「・・・バカ///」
耳まで真っ赤にして、は火生に抱きついた。
火生も、を抱きしめ返した。
「許してくれんだろ?」
「うん・・・///」
こうして、仲直りした2人だった。
前サイト「OASIS」にての111HIT 鬼丸龍斗さま リクエスト
キリリク火生夢です。
い、意外と難しかった・・・
「プリン」というのは、個人的な好みです。
嫌いな人いたら、すいませんでした・・・。